《最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所屬してみました。》第1725話 想像の出來ない繋がり

「いや、驚いたよ。本當に……。君たちをケイノトの食事処で見た時、直ぐに普通じゃない連中だろうなと思ったけど、まさか『妖魔山』でこうして再會するとは思わなかったよ」

「クックック、驚いたのはこちらの方だ。お主が忍鬼と共に居るとは思わなかったぞ。それにあの時に一緒に居た髪型を気にしていた男とは、今は一緒ではないのだな」

ソフィがそう告げるとしだけイバキの表が曇った為に、直ぐにソフィは失言だったかと気にして何か取り繕う言葉を続けようとすると、その前にイバキが返事をするのだった。

「ああ、うん。実は君達と別れた直後に仕事で大きな任務がったんだけど、運悪くその任務でスーは……」

「そうか……、すまなかった」

言い辛い事を口にさせてしまった事に対してソフィが素直に謝罪を口にすると、直ぐにイバキは首を橫に振った。

「いや、いいんだ。実は俺も彼と同様にその任務で死にかけたんだけど、そこで俺が『式』にしている『鬼頼きらいどう』っていう妖魔が、意識を失った俺の命を救ってくれてね。そこで彼の故郷だという『妖魔山』にある『鬼人族』の集落に俺を運んでくれたんだ。そこで彼と知り合ったんだよ」

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イバキは簡潔にではあるが、ソフィ達に事のあらましを伝えてくれた後、ソフィの疑問にも答えてくれたのだった。

「そうだったのか……」

ソフィが納得して首を縦に振ると、今度は傍に立っていたヌーがイバキに口を開いた。

「ちっとお前に聞きたい事があったんだけどよ。お前、あの飯屋で俺達を探るような視線を向けていたよな? お前もしかしてあの飯屋にったのは、最初から俺達が目的でってきやがったのか?」

そのヌーの質問の意図がソフィには分からなかったが、どうやらイバキにはヌーが何をいわんとしようとしているのかを理解したようで、直ぐに首を橫に振った。

「ああ……。そんな質問をするって事は、時期的に考えて君達がタクシンさんを葬った二人組だったわけか」

そのイバキの言葉でようやくソフィにも、ヌーの質問の意図を理解したのだった。

「いや、違うよ。確かに退魔組では、タクシンさんを殺った犯人を捜してはいたけれど、あの時點では妖魔が犯人だろうという観點で捜索をしていたみたいだからね。だからこそ俺達に任務を課せられて加護の森に向かう事になったんだ」

「そうかよ……。ちっ、悪かったな。てめぇの仲間が任務で命を落としたのは、元はといえば俺がそのタクシンって野郎を殺っちまったからだ。てめぇには俺らやコイツに飯も奢ってもらったっつーのに、恩を仇で返しちまった」

何と大魔王ヌーはテアの頭をでながらそう言って、イバキという人間に謝罪を行うのだった。

當然、このヌーの謝罪に驚いたのは、付き合いの長いソフィとテアだけではなく、話を盜み聞きしていた『イツキ』も唖然とした顔を浮かべたのだった。

「て、てめぇも人並みに謝るって事が出來やがるんだな……!? 今までで一番てめぇに驚きだよ、こりゃ參ったぜ」

そして會話に參加するつもりがなかったイツキだが、あまりに驚きすぎたせいで、そのまま普通に會話に參加してヌーに喋りかけてしまうのだった。

「て、ていうか、君って『退魔組』の『イツキ』だよね? それに『ユウゲ』に『ヤエ』も居るし……。というか俺が夢を見ているわけじゃなければ、この場に『ゲンロク』様に『エイジ』殿までいるよね。それに妖魔退魔師の皆様方まで……。い、一これってどういう繋がりなの?」

ヌーがイツキに文句を言う前に、先にイバキは改めてこの場に居る者達を見渡しながら驚いた口振りでそう告げるのだった。

確かに何も事を知らないイバキにしてみれば、何故『退魔組』の頭領サテツの補佐であった筈の『イツキ』や同僚といえる『特別退魔士』の『ユウゲ』に護衛の『ヤエ』が居て、更によく見れば『妖魔召士』組織全の長である筈の『ゲンロク』に、はぐれとなった筈の『妖魔召士』である『エイジ』に、最高幹部を含めた『妖魔退魔師』組織の総長に副総長まで共に居るのか理解が及ばないだろう。

これは本當に何処から突っ込めばいいのかと、イバキが呆然とするのも無理はなかった。

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