《【書籍化決定】公衆の面前で婚約破棄された、無想な行き遅れお局令嬢は、実務能力を買われて冷徹宰相様のお飾り妻になります。~契約結婚に不満はございません。~》クーデルしゃまが好きなのですわ〜♪

クーデルしゃまは、とってもクールなのでしゅわ〜!

お口もあんまり開かないでしゅし、いっつも本を読んでおられましゅのよ〜♪

お父しゃまのボンボリーノしゃまや、お母しゃまのアーハしゃまとはぜーんぜん違いましゅの〜!

でもでも、クーデルしゃまはお二人と同じようにとってもとっても優しくて〜、あんまりこっちを見てくれましぇんけれど、ウーユゥのことをちゃーんと覚えていてくれましゅのよ〜♪

「この間」

「この間、なんでしゅの〜??♡」

ウーユゥがいつもみたいに、王都のペフェルティ伯爵家のタウンハウスのお部屋に行って、本を読むクーデルしゃまに々話しかけていると、とーとつにそう言われたのでしゅわ〜。

「ヴィオラを弾く発表會の、審査に行くって言っていたの、どうなったの?」

相変わらずご本から目をあげましぇんけれど、クーデルしゃまは二人っきりの時はときどきこうして、ウーユゥのことを聞いて下さいましゅのよ〜!

「合格できましぇんでしたわぁ〜!」

ウーユゥは、聞かれたことが嬉しくて、ニコニコ質問に答えましたわ〜♪

「ウーユゥはぁ〜、お父しゃまやお母しゃまと違ってぇ〜、失敗ばっかりでしゅわぁ〜!」

お父しゃまとお母しゃまは、あんまり笑ったり怒ったりなしゃらないですけど〜、なんでも出來ちゃう人達なのでしゅわぁ〜!

でもウーユゥは、何をやっても上手に出來なくてぇ〜、ボンボリーノしゃまには『ウーユゥちゃんはオレにそっくりだねぇ〜』と言われたこともありましゅのよ〜。

その後、アーハしゃまに『一緒にしちゃダメよぉ〜!』と頭をぱちこーん! ってされてましたのよ〜!

お母しゃまは〜、そんなウーユゥを怒りはしないのでしゅけれど〜、ちょっと気にしているみたいでしゅの〜。

するとそこで、クーデルしゃま♡が、パタンと珍しく、本當に珍しくご本を閉じられましたのよ!!

「ねぇ、ウーユゥ」

「はぁ〜い♡ 何でしゅのぉ〜?♡」

「気にしなくていいよ」

言われて、ウーユゥは思わず目をぱちくりしてしまいましたわ〜。

「気にしてましぇんわよ〜!」

「してるでしょ。だって、やりかったんでしょ?」

「発表會に出られなかったのは、殘念でしゅわねぇ〜! でも、上手に出來なかったから、仕方がないのでしゅわぁ〜!」

ウーユゥがそう言うと、クーデルしゃまはその明るいの青い目でジーッとお顔を見つめてこられましたの!

しょんなに見つめられたら、照れてしまいましゅわぁ〜!

「失敗する、っていうのは、今までできなかったことに挑戦するから、失敗するんだよ。出來ることしかやらない人は、失敗しないんだ」

「クーデルしゃまぁ〜!! ……難しくて、よく分かりましぇんわぁ〜!」

「ボクは、ウーユゥのヴィオラが聴きたい」

「上手じゃなくてもよろしいのでしゅのぉ〜?」

「ん。だって、ボクの誕生日に演奏しようと思って、練習してくれたんでしょ」

「にゃ! にゃぜバレてましゅのぉ〜!?」

最初はそうだったのだ。

それでお母しゃまにおねだりしたら、『ダラダラしない為に、発表會に向けて一旦頑張ってみましょう』と言われて一生懸命やったのでしゅわぁ〜!

「ボクの誕生日の話をして、好きな曲をあれだけ聴いて、聞き出した曲を練習してたら、誰でも分かるよ」

「クーデルしゃまは天才でしゅわぁ〜!!♡」

「誰でも分かるよ。だから、聴きたいよ。やめないでね」

「わっ、わかりましたわぁ〜!!」

「ん」

クーデルしゃまは、ウーユゥのことをなんでもお見通しでしゅわぁ〜!!

ちょっとやめようかなと思ってたことまで、見抜かれてしまったのでしゅわぁ〜!!

でもでも、嬉しいのでしゅわぁ〜! 思わずにやけてしまいましゅわぁ〜!!

クーデルしゃまは、いつもあんまり相槌以外をしないでしゅけれど〜、ちゃーんとお話を聞いて、覚えてくれていて、とってもとっても、優しいのでしゅわぁ〜!!

「えへへ〜、クーデルしゃまぁ〜♡」

「ん」

「ウーユゥ、クーデルしゃまのことが大好きでしゅわぁ〜!♡」

「……ん」

またご本を開いて目を落としたクーデルしゃまのお耳が、真っ赤になってましゅわぁ〜。

なんでかよく分からないでしゅけれど、また相槌だけに戻ったクーデルしゃまに、ウーユゥはまたお話するのでしゅわ〜。

とってもとっても、幸せなのでしゅわぁ〜!

ヴィオラの練習も、頑張りましゅわぁ〜!!

……クーデル、本當にボンちゃんの息子か……!?

というわけで、番外編です。

7/12に日田中先生の手によるお局令嬢と朱夏の季節2巻が発売になりますー!

表紙も超絶麗なので、是非是非お手に取っていただけると嬉しいです!!

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