“雄偉なる霊と剣は千代に”に十二文字刻み、その力で六つの大剣をるも、一進一退を繰り返す攻防が続くばかり。

下手にこの均衡を崩すほどの攻勢に出ると、小さな隙を突かれて一気に畳み掛けられる恐れがある。

「“嵐の穿孔”!!」

右手の“ストームブリンガー”から、強化した風の鏃を飛ばす！

『“効能狩り”』

盾を叩き付けて、“嵐の穿孔”を消した!?

《“狂悪魔剣”――ブラッドデビルブレイク》

俺の錬剣だけが使えるはずの、二種系統武だと!?

「――“拒絶領域”!!」

なんとか弾き防ぐ！

『貰った！』

“魔師殺しの騎槍”持ちのドラコニアン・アバターが、背後から“拒絶領域”が消える瞬間を狙ってきた！

「“霊剣”――ウンディーネスラッシャー!!」

水の斬撃でリーチ勝ちし、槍で防いだドラコニアン・アバターを後退させる。

――即座に盾で仕掛けてきたアバターによって、“ストームブリンガー”を弾き飛ばされた!!

『死ね、ノルディック！』

「――“神代の飛踴剣”!!」

浮遊剣全てに“神代の剣”を施し、三に二振りずつ襲わせて牽制。勢を立て直す！

剣をる集中力に錬剣二本分の維持でただでさえキツいのに、アバター二が武効果と魔法を封じる裝備持ち。

おまけに、アルファ・ドラコニアンは強力な武を使える剣ときた。

援護を期待したいところだけれど、このままじゃ俺の方が先にお陀仏になりそうだ。

「攻めるか――“六腕”、オールセット３」

上右腕に“ヴェノムキャリバー”、下右腕に“ケラウノスの神剣”、上左腕に“ストームブリンガー”、下左腕に“魔師殺しの剣”を裝備。

“剣倉庫の指”より、“グレートオーガの短剣”を抜いて右手で構える。

「“大地番の穣神”!!」

総ＭＰの四分の一を消費し、大地の神を呼び出す！

「古代竜亀」

指で呼び出した竜亀で、盾持ちを攻撃させる！

神にはアルファ・ドラコニアンの足止め――フリーになった浮遊剣全てで、ランス持ちを狙う！

「“二重魔法”、“古代竜魔法”――エンシェントドラゴブラスター!!」

“二重魔法の指”の効果で魔法陣を二重展開――浮遊剣で逃げ場を塞いで、直撃コースを作り出す！

『バカが、“法喰い”!!』

“魔師殺しの騎槍”で魔法を吸収――してくれたおかげで、隙だらけに。

「踴れ、浮遊剣!!」

念能力では六つの浮遊剣を防ぎきれず、しずつ損傷していくランス持ちのドラコニアン・アバター。

『“効能狩り”!!』

盾持ちが竜亀を消失させ、そのままの勢いで近付いてくる。

「“四重武”――“魔人武”、サタニズムフリング!!」

機械腕に握らせた剣、全てを魔人の暴威と共に投げ付け――盾と念能力で抵抗されたの、“ストームブリンガー”だけはに命中！

「古代竜亀！　……ダメか」

“効能狩り”のせいで、暫くは再召喚出來ないらしい。

《“狂悪魔剣”、ブラッドデビルブレイク》

穣の神が、一撃で吹き飛ばされた!?

「“大地投擲”――グランドフリング!!」

《――くだらぬ!!》

投げ付けた“グレートオーガの短剣”が、念能力を凝させた一刀の元に叩き砕かれてしまう!!

『――ノルディックがぁぁッ!!』

念を集約させた盾で、刺さっていた“ストームブリンガー”を叩き折った!?

『おい、この剣をどうにかしてくれ！』

アバター二に損傷は與えたの、數は減らせ――アルファ・ドラコニアンの接近に気付くのが遅れて――“雄偉なる霊と剣は千代に”を弾き飛ばされてしまう！

左手から離れた事で錬剣が解除され、予備欄から“雄偉なる霊と剣は千代に”の効果で呼び出していた浮遊剣まで全て消えた！

クソ、一つ一つの行が中途半端な結果に!!

「“超噴”!!　オールセット３」

後退しつつ、投げた剣を機械腕に戻す――折れた“ストームブリンガー”は戻って來ないか！

《逃げるなよ、腰抜け！》

超スピードで追い付いてきやがった！

「――クロススラッシャー!!」

『“狂悪魔剣”――ブラッドデビルブレイク!!』

鎧に十二文字を刻むも強化が間に合わず、“ケラウノスの神剣”と“魔師殺しの剣”に罅が!!

「――大地腳!!」

アルファ・ドラコニアンの腹に蹴りをれて吹っ飛ばすも、大して効いてはいないだろう。

「裝備セッ――」

二のアバターからの衝撃波に、聲を出していられない!!

損傷で“六腕”が解除される直前、なんとか“ヴェノムキャリバー”を左手で回収。

《さすがに、三対一じゃつまんねぇなー》

――更なる重圧!!　鎧の神代文字で必死に抵抗しているの、が潰れそうだッ!!

しいのは――――聲を発する事なく振るえる能力と、圧倒的な破壊力の剣!!

――“ヴェノムキャリバー”に、“グレートオーガの短剣”と“ストームブリンガー”の破片が集まってくる!?

『ノルディックめ、また奇蹟を起こそうというのか!!』

『死ねよ、劣等種ぞ――』

「“神火”――“火山弓”、ヴォルケーノブレイズ!!」

盾持ちのアルファ・ドラコニアン・アバターが、猛火の一撃によって貫かれ、発した!?

――左手の再構築中の剣を、思いっ切り振りかぶりながら神代文字の力を流し込み――――振り抜く!!

『――な……ぜ』

放たれた斬撃、“鬼神・斬魔”に斬られた瞬間、一瞬で細切れとなる槍持ちのドラコニアン・アバター。

《――死ねぇ!!》

「“神代の刀剣”」

 　生まれ変わった剣、“偉大なる鬼神の腥風剣せいふうけん”を逆手に持ち直し、アルファ・ドラコニアンの剣をけ流――しながら、魔人拳を顔面に叩き込んですぐさま後退！

「コセ!!」

「シューラ？」

彼が、“名も無き英霊の劍”のコピーを手に駆けてくる!?

「アタシに――“超同調”を使え!!」

考える前に、口がいていた。

「――“超同調”!!」

シューラの憎悪と嫌悪の思い出、トゥスカ、レリーフェ、ツグミ達に向けた親の、ミキコへの共、そして――俺への気持ちも流れ込んでくる!!

「「噴き上がりたまえ――――“雄偉なる噴出火口の――大神火”!!」」

迸る溶巖が黒煙と共に塗り固まった、火の神剣を投げ渡される!!

「――“隨伴の神火”!!」

溶巖の奔流よ、アルファ・ドラコニアンを捉えろ!!

《――こんなで!!》

不可視のバリアで溶巖を止め、跳ね返してきたか。

「――だが、あまい」

これらの溶巖は全て、俺とシューラの隣人なのだから。

“隨伴の神火”で、跳ね返ってきた溶巖を無數の球となし、アルファ・ドラコニアンの前以外の周囲に配置。

「終わらせようか」

《――舐めるなよ、奴隷種族がぁぁ!!》

互いに正面へ、全力で駆け出す!!

《“狂悪魔剣”――ブラッドデビルスラッシュッ!!》

「“火山大地剣”――ヴォルケーノグランドスラッシュ!!」

“偉大なる鬼神の腥風剣”に神代の力を流し込んで、ドラコニアンの腕を“鬼神・斬魔”で細切れにしながら片刃の剣を逸らし――シューラと生みだした神火の剣で、奴のを切り裂いた。