《最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所屬してみました。》第1749話 明確なソフィの殺意
華親が若い天狗を一瞥した後、直ぐに視線を『天魔』に向けると、その『天魔』である『帝楽智』は、靜かに溜息を吐いたが、止めるつもりはないようで小さく頷きを返すのだった。
――どうやら見せしめの意味もあるという事だろう。
その若い天狗も『華親』や『天魔』である『帝楽智』から靜止をするような聲がなかった為、このまま行を起こしてもいいと判斷したようで、舐めた口を利いてきた『人間』に見える若いソフィの方へと近づいていく。
ソフィは近寄ってくる若い天狗に対して何も構えのようなものも取らず、じっと何をするかを観察するように視線を向けるだけだった。
「これだけの數に囲まれてよくそんな発言が出來たものだが、お主も流石に命までは取られない筈だと高を括っていたようだが、その考えは甘かったな。この山でワシら天狗に逆らえばどうなるかををもって後悔させてやるぇっ……――ぁっ」
ソフィの手が屆く範囲まで近づいてきた天狗が、恐ろしい程の魔力を纏わせて啖呵を切った瞬間、その天狗はソフィの紅いオーラを纏った右手によって、あっさりと首を切斷されてしまうのだった。
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――まるで一瞬の出來事であり、いつソフィがオーラを纏ったのか、そしてその手を振り切ったのかは首を切斷された天狗のみならず、その場を見ていた筈の『天従十二將てんじゅうじゅうにしょう』を含めた最高幹部と呼べる者達ですら咄嗟に何が起きたのか理解が及ばなかった。
この天狗がソフィの手によって絶命する瞬間をしっかりと目で追えて理解を行えた天狗は、この場では副首領『華親』と首領の『帝楽智』だけであった。
「「き、貴様ぁっ……!?」」
「もう止めろ、お前らもそいつに殺されるぞ」
「「!?」」
しの間を置いた後、ソフィ達を取り囲んでいる他の天狗達が我に返り、驚きの聲をあげると共に戦闘態勢にると、そこでようやくこの場で一番発言権があるであろう天狗の『天魔』が口を開いて天狗達を止めるのだった。
「もう『鬼・人・』達・の・事・は・ど・う・で・も・い・い・、放っておけ。それよりこいつらを妾達の縄張りへと連れて行く。お前らも異存はないな?」
「勝手にするがよい。元々我達を連れ去る目的でここに來たのであろう? ならさっさと何処にでも連れていくがいい。お主らの目的は分からぬが、ひとまずはお主達に従ってやろう。だが、しでも我の仲間に手を出してみろ。貴・様・ら・を・一・・殘・ら・ず・全・て・消・滅・さ・せ・て・や・る・」
大魔王ソフィの眼は恐ろしい程に鋭く、冗談で言っていないと誰もが一目見て理解が出來る程であった。
「ふんっ、妾やこれだけの天狗の軍勢を相手にして、そこまで堂々としていられるのは見事じゃが、口には気をつけろよ? しはやるようだが、この山では主らの常識は通用しないと思え」
「託はいいと言っているのだ。誰よりも先にこの場で貴・様・を殺してやろうか?」
「ちっ、口の減らない奴だ。まぁいい、お前らこいつらを妾達の縄張りまで運んで行ってやれ。分かってはいると思うが、危害を加えるような真似だけはするなよ?」
「「は、ははっ!!」」
『帝楽智』はそう言って離れる寸前に、ちらりと『オーラ』を纏う大魔王ヌーを見たが、特に警戒を示す事もせずに、直ぐに視線を逸らすと空へと飛翔して元來た空の道を飛び去って行く。
そして他の天狗達も先を行く帝楽智に追従するように次々と飛翔していくのだった。
ソフィは靜かに帝楽智に向けていた殺意を消し去ると、背後に居る玉稿やイバキ達に視線を向けた。
「どうやら奴らの目的は我達のようだ。あの天狗の口振りでは、今回の一件でもうお主らをどうこうする様子は見られぬ。一応何かあった時の為に直ぐに我が気付けるようにこの場に『結界』を殘しておく。まぁ心配はないだろうが、念のためという奴だな」
「そ、ソフィ殿……! そんな事よりもお主らの方が心配だ。あの天魔の『帝楽智』殿は、同胞を殺られて黙っている程に溫厚ではないぞ。あくまでこの場を引いて見せたのは、ワシらの件よりもお主らを優先したに過ぎない筈だ」
「我たちの事は心配せずとも良い。それよりもお主は後ろで今も怯えている子供たちを安心させてやるがよい。もう大丈夫だとしっかりと聲を掛けて安心させるのだぞ?」
「す、すまぬ……。それは任せてくれ、ソフィ殿」
玉稿はこれ以上天狗の事を話してもソフィの気が変わる事はないと判斷したようで、心配してくれた事に返事をするのだった。
そしてその玉稿の言葉に頷くと、ソフィはイバキ達の方に改めて視線を向けた。
「イバキ殿に忍鬼。もうしお主らと話をしたかったが、どうやらあやつらの目的は我達のようなのでな。ここで一度お別れだ。イバキ殿にはケイノトの町で本當に世話になった。いずれお主に借りた金子を返しに行くと約束する」
「い、いや……。もうその事は気にしなくていいよ。それよりも本當に奴らの元へ行くのかい? 俺が言うのもおかしい話だけど、天狗は妖魔達の中でも非常に恐ろしい者達だ。このまま行っても碌な事にならないよ……?」
「仕方あるまい。このまま奴らの言う通りにせねば、またこの集落に居る者達に迷が掛かる。それに安心するがよい、我達ならば問題はないと約束する」
そう言ってイバキの肩に手を置くソフィを一瞥すると、イバキは仕方ないとばかりに小さく溜息を吐いて頷いて見せるのだった。
そしてソフィはそんなイバキに笑みを向けた後、最後に忍鬼の方に視線を向けるのだった。
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