《最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所屬してみました。》第1758話 大魔王ソフィの形態変化と、その魔王形態

そしてついに大魔王ソフィの姿が変貌を始めるのだった。

あっさりと高められていく『魔力』だが、これまでのように一気に最大限まで高めるのではなく、ゆっくりと知が出來るものに分からせるように、一定の段階、そのまた次の段階の上限といった風に上昇を果たしていく。

『魔』の概念というモノに著手している者達であれば、その『魔』に付き合う工程で『魔力』が躓き、び悩む時期というモノをある程度理解が出來る。

そのび悩みというモノを全く自らでは理解が出來なかったソフィだが、數えるのも億劫となる程の長い年月もの間、自らが従えてきた、これまた數えるのも億劫な程の膨大な數の『魔族』たちを見て、そしてある時はその手で育ててきた。

――それも他者を守りながら過ごす、永劫と呼べる程の長い期間である。

つまり自らではじ得る事の出來なかった、そのび悩み躓くという覚を覚える魔力帯を目安にして『魔力』を高めていくのであった。

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「むっ!」

「こ、これは!?」

そして『帝楽智』や『華親』がソフィのやっている事を明確に理解し始めたのは、高まっていくソフィの『魔力』が、いわゆる妖魔ランク『8』辺りに差し掛かった辺りからであった。

ソフィは別にこの妖魔ランクに比例する魔力の數値を理解していたわけでも、はたまた天狗族の中での値分けとなる強さの數値を知っていたわけでもない。

しかしどうやら『魔族』と同様に、妖魔である『天狗族』もこのランク『7』と呼ばれる魔力値が一つの到達點と考えられる『魔力値帯』だったようである。

そのままソフィが『7』から『7.5』へと昇華し始めた頃、遂にソフィの形態を見る者が、目で判斷出來る変貌を遂げた。

――それこそは、大魔王ソフィの『四翼』を生やした形態であった。

【種族:魔族 名前:ソフィ第三形態(真なる大魔王化) 魔力値:8325億

狀態:『三併用』 戦力値:8550億 地位:アレルバレルの王】。

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(あ、あのソフィ殿の姿は、かつて私と対峙していた時に見せていた姿ですね……!)

ミスズは目を細めながら今のソフィの姿を観察して、かつての自分と戦いの中で見せた姿だと判斷して中でそう呟くのだった。

そこで一度高まる魔力の上昇が留まった事により、多くの天狗達が冷や汗を掻きながらも、ようやく止まったかとばかりに、やせ我慢をするような苦笑いを浮かべ始めるのだった。

そしてそれは今のソフィと同等程度の『魔力値』を持つ『天従十二將てんじゅうじゅうにしょう』の『邪未』も同様であった。

「ほ、ほぉ、す、しはやるようだな……?」

心ではようやく上昇が止まったかとをなでおろす邪未だったが、その口からはまだまだ俺には屆いていないぞといわんばかりとばかりの強気の発言が呟かれたのだった。

――だが。

まるでその邪未の言葉を待っていたかの如く、ソフィの目が金り輝いたかと思うと、次の瞬間にソフィの周囲に音を置き去りにした暴風が吹き荒れると、その中央に居るソフィを覆うように可視化出來る程の『魔力』と『オーラ』が現化されると、そのオーラからバチバチと音を鳴らしながら、雷のスパークのようなものがり始める。

――大魔王ソフィの第三形態の『四翼』、戦闘特化形態であった。

【種族:魔族 名前:ソフィ第三形態+四翼戦闘特化型(真なる大魔王化) 魔力値:9990億

狀態:『三併用』 戦力値:1兆260億 地位:アレルバレルの王】。

「「!?」」

もはや単なる天狗達は驚きを通り越してしまい、唖然しながらソフィを眺めていた。

そしてソフィ達を取り囲むそんな大勢の天狗達よりも、大幅に力を有する大幹部達である『天従十二將』の、直接ソフィに喧嘩を売った『邪未』を含めた『後従三子』までの大天狗達は、人間である筈のソフィが自分達よりも強いのだと明確に理解して震え上がるのだった。

しかしこの狀態でもソフィは全く納得が行っていない様子を見せており、そしてその視線は『邪未』ではなく、その背後で険しい表を浮かべている別の大幹部であろう天狗達に定め始める。

「どうやら貴様ら全てを一気に消滅させるには、まだまだこの狀態でも足りぬようだな」

「えっ……?」

もはや先程までの勢いは何処へやら。大天狗であった『邪未』はすでに戦意喪失をしてしまい、ソフィの視線から逃れるように俯いてしまっていたが、そのソフィの呟きに驚いて顔を上げて目を合わせてしまうのだった。

「それは実に……、楽しみな事だ」

ソフィを見てまだ戦闘喪失を行っておらず、険しい顔を浮かべながらもソフィを睨みつけている『世來二親』と呼ばれる最高幹部の『擔臨たんりん』と『壽天じゅてん』。

その両名と更に奧に居る『華親』や『帝楽智』を視界に捉えたソフィは、現在のランク『8』に到達している狀態から再び『魔力』を込め始めると魔王形態が更に変わっていく。

【種族:魔族 名前:ソフィ第三形態+四翼戦闘特化型(完全なる大魔王化) 魔力値:1兆4985億

狀態:『三併用』 戦力値:1兆5390億 地位:アレルバレルの王】。

(あ、あの化け! い、今の奴の姿は、お、俺と戦っていた時の狀態に似ていやがるが、さ、更に俺の時より『魔力』の悍ましさが増していやがるっ……!)

イツキもまさか自分を圧倒してみせたあの狀態から、更にあっさりと強くなった姿を見せられて大魔王ソフィという存在の底が見えず、もう驚く事もましてや笑う事も出來ずに、信じられないとばかりに他の天狗達と同様にソフィを見るだけしか出來なかった。

イツキと戦っていた時のソフィも形態変化を行い『第三形態』となっていて、魔王形態もまた今と同様の『完全なる大魔王化』ではあったが、あの頃はまだミスズ戦の時のように、四翼戦闘特化狀態ではなかった。

しかし今の大魔王ソフィの狀態は、そのミスズ戦やイツキ戦の時に見せた両戦闘時の狀態の完全に上位互換といえる狀態であり、妖魔ランクで換算するならば、すでに『8』を大きく超えて『8.5』すらも上回る狀態に辿り著いているだろう。

そしてこれでまだ終わりではなく、大魔王ソフィが四翼戦闘特化型の第三形態となった事で、その基本値となる狀態にして、これまでの形態に出せていた強さの數値にようやくフラットの狀態で辿り著いただけである。

この形態になった事で、これから大魔王ソフィは更にこの基本値の狀態からこれまでの形態の時のようなコントロールを行い力を込める事で、二倍から三倍といった風に力を増していく事になるだろう。

――何故なら今の大魔王ソフィの魔王形態は『完全なる大魔王化』なのである。

それはつまりこの魔王形態となったソフィは、自らの願を優先する狀態となっており、普段はに眠っている大魔王としての本質部分が表に出てきている狀態であり、その狀態にして何とか怒りという包する事によって理を僅かながらに有する狀態となっているのである。

いつでも全力と呼べる本來の『力』を出せる狀態となり、その『力』を出す下地の段階といえる『第三形態』という形態変化も行っているのである。

――最早、いつこの大魔王ソフィの本能によって、抑えている力が解放されてしまうか分からない狀態である。

一応保険として『力の魔神』を理が殘っているに呼び寄せたソフィではあるが、それでもいつこの大魔王が自らの起こす過激な戦闘に魅了されてしまい、普段抑えている力を抑えられずに出してしまうか分からない。

そうなった時に果たして、大魔王ソフィという存在を『力の魔神』はいつまで抑えていられるのだろうか?

大魔王ソフィをしばかり力を持っている人間と見誤り、わざわざ余計な真似を行ってソフィの怒りを買ってしまった天狗族達は、これから想像を絶する後悔をする事になるのであった――。

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