《最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所屬してみました。》第1763話 そこに現れた者は
妖魔山の中腹にある天狗族の縄張りから、一斉に鬼人族の縄張りのある集落へと天狗達が大移を行っていた頃、近年では珍しくなった景に多くの山に居る妖魔達が、天狗族の向を窺う事となった。
當然それは山の頂で會話をわしていた妖魔神の『神斗こうと』と、九尾の妖狐である『王琳おうりん』も例外ではなく、目が覚めた『七耶咫なやた』を連れ立って天狗族たちが見下ろせる、空の上に移を行い眺めていた。
そして『神斗』や『悟獄丸』と戦い、イダラマ達の元へと向かっていた妖魔召士『シギン』もまた、天狗達の大移を見逃す筈もなく、イダラマ達を擔いで運んでいるウガマ達の姿をその視界に捉えながら天狗族の移を眺めていた。
山の頂でそのシギンと戦った『神斗』は、悟獄丸ごごくまるが戻ってこない事に関係していると見て、そのシギンを探しに行こうと考えていた為、奇しくもこの両名は互いに互いの姿を見つけられてはいないが、その視線の先、見ているものが同一のモノとなるのであった。
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やがて近くの空まで接近した天狗達を巖に隠れてやり過ごしたウガマ達は、このまま一気に麓まで山を下りようとすれば、大規模な移を行っている天狗達に見つかってしまうと懸念を行い、今回のように上手くやり過ごしながら移を行おうと口々に話を行っていた。
どうやら彼らの頼みの綱であった『コウエン』がやられてしまっているのを見た為、相當に神的に弱ってしまっていて、その上での今回の出來事が重なった末の結論だったのだろう。
シギンも『結界』を施しながら彼らの様子と、無殘にも橫たわるかつての仲間の最期の姿に思うところはあったが、いつまでも悲しんではいられないとばかりに、そっと姿を見せると彼らに聲を掛けるのだった。
「――ああ、それならもっといい案があるぞ?」
…………
突然誰も居ない筈の場所に人影が出現すると同時、聲が聴こえてきた事でウガマ達は驚きながら、その視線を聲の主に向けた。
ウガマを含めた多くの者がその現れた人の顔を見て、再度の驚きの表を見せた。
何と彼らに聲を掛けたその人とはすでに數十年もの間、この世界で姿を見せなかった前時代の『妖魔召士』組織の長にして最強と謳われた『シギン』だったからである。
それも驚くべき事にこの何十年という期間を経ている筈であるというのに、ほとんど當時の姿のままであり、も引き締まった細いに筋もしっかりとついており、未だに三十代だと言われても信じてしまいそうになるほどに年齢をじさせない事にあった。
當然に世代が違っていてもこの場に居る退魔達や、組織そのものが違った『妖魔退魔師』組織の元『予備群よびぐん』であるウガマも目の前に居る男の事を知っている。
いや、このシギンという存在を知らぬ者が、過去とはいっても妖魔退魔師や妖魔召士組織に在籍していないわけがない。
――それこそ組織に屬さない単なるこの世界の町民達でさえ、彼の顔と名前知っているくらいなのだから。
そして驚きの表を浮かべたままで、誰一人としてこの場に居る者が言葉を出そうとしない為、彼らを訝しむように眉を寄せたシギンだったが、遂にイダラマを背負っていた大男のウガマが口を開いた。
「ま、間違っていたら失禮、あ、貴方は『妖魔召士』組織を束ねていたシギン殿で、そ、相違ないだろうか?」
ウガマからそう尋ねられた事でようやくシギンは、會話が通じる事に安堵するように笑みを浮かべるのだった。
「ああ、その通りだ。お主らの事をよく知らぬが、そこで意識を失っているイダラマを大事そうに背負っていた事からも、お主らは敵ではないと判斷した。そしてこやつはお主たちの仲間なのだろう?」
そう言って何もない空間に亀裂がると、人が一人分る程のが出來上がり、そこからエヴィがどさりと落ちてきて、それをシギンが慌てて抱えるのだった。
「こ、小僧!」
先程まで山の頂で『妖魔神』の『神斗』と戦っていたエヴィが出てきた事でウガマは、咄嗟に驚きの聲を上げるのだった。
「大丈夫だ。死と引き換えとなる『呪法じゅほう』を行使する寸前ではあったが、こやつが『呪法』の効力を発揮させる前に俺が打ち消しておいた。今は強引に『魔力枯渇』を引き起こさせて眠らせた。そこに居るイダラマと同じ狀況というわけだな」
「そ、そうですか……。はっ!? し、シギン殿!! せわしくさせて申し訳ないのだが、もうすぐここに大柄の『妖魔』が向かって來る筈です。急いでこの場から離れませんと!」
その大柄の妖魔とは『悟獄丸ごごくまる』の事なのだろう。妖魔神と口にしたところで伝わるか分からないと考えた様子で『ウガマ』は、大柄の妖魔と口にして説明を行ったとみられた。
「むっ、それは『悟獄丸』の事だな? 安心するがよい、奴がもう追って來る事はないぞ。この俺の手で確実に始末したからな。現在この周囲一帯で先程の群れをなしていた『天狗族』以外には、妖魔が迫っているという事もない」
何事もないかのようにそう口にするシギンに、再び愕然として聲を失うウガマ達であった――。
……
……
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サモナーさんが行く
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