《天使転生?~でも転生場所は魔界だったから、授けられた強靭なと便利スキル『創魔法』でシメて住み心地よくしてやります!~》第503話 久しぶりに日課のパトロール

一度寢直し、二時間ほど経った後目が覚めると、玄関前でじっとしているウィンダルシアの魔力を再び知。

「……二時間前と全く同じ場所にいる……同じ場所から微だにせんな……ホントにずっと護衛するつもりなのかしら?」

歯を磨き、朝食を食べ、更に二時間後に家を出る。

久しぶりに役所へ登庁する。ついでに日課のパトロールもしていくか。

「じゃあカイベル、ちょっと役所へ行ってくるね」

ガチャ

「お? おはようございますアルトラ殿!」

「あ、ああ……おはよう。ごえ……」

『護衛ご苦労様』と言いかけてやめた。

これ言ったら、『護衛を求めている』、もしくは『護衛が役立っている』と取られかねないと考えたため。

「本日はどこへ行かれるのですか?」

「昨日役所に來てくれって言うから登庁するんだけど……」

「では私も同行しましょう」

どうやら付いて來る気マンマンだ……

「あ、アルトラ様~、おはようございますッス!」

「ああ、おはようナナトス」

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「相変わらずフラフラしてるのね」

「ム、別にフラフラしてるんじゃないッスよ。亜人観察ッス」

それをフラフラしてると言うのでは?

「何でそんなことしてるの?」

「最近この町を訪れる亜人の種類が増えたッスから、見てて観察してるんスよ。種族ごとに特徴が違ってて面白いッスよ」

「へぇ~、あなたから見て驚いた特徴ってなに?」

「え~、例えばケンタウロス族とかッスかね。下半が馬になってるヒトなんて初めて見たんで驚いたッスよ!」

「ああ、確かに。あれは私も初めて見た時はビックリしたよ」

でも実はもうこの町に住んでるんだけどな……下半馬のヒト。

水の國の大使のアーノルドさんなんだけど。 (第373話參照)

ナナトスは多分會ったことないだろうからな。

「ところで、そっちのヒトは誰ッスか?」

「風の國から派遣されて來たウィンダルシアよ」

「お初にお目にかかります、ウィンダルシア・ライトウィングです」

「何でアルトラ様と一緒にいるんスか?」

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「ああ……何か、私の護衛らしいよ……要らないって言ってるんだけどね……」

「護衛? ウィンダルシアさん、この町で護衛が必要なことなんて起こらないっすよ? アルトラ様が怪我してるところ見たことないッスから。別のことしてた方が有意義ッス」

「は、はあ……」

橫目でウィンダルシアの顔を見たところ、『帝蟻と戦って大怪我したと聞いてるんだが……』とでも言いたいようなちょっと複雑な表をしていた。

「じゃ、これから役所に顔出さないといけないから、またね」

ナナトスと別れた。

役所を訪れるとウィンダルシアが、とある生に気付く。

「ヒーリングディアーですか。なぜこれがここに? 生息地から大分離れてますが……」

「お、あなたはこの鹿を知ってるのね?」

「風の國にも生息してますので」

「以前この辺りの野生生の一斉捕獲をした時に、アルトラルサンズに迷い込んできたみたい。後々調べたところによると樹の國原産らしいね。この癒し効果が有用ってことで捕獲した時にこの町の役所で飼うことになったのよ」

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そう、以前アルトレリアの第二壁の建設時に捕獲し、殺処分《食材化》を免れた白い鹿だ。役所付近で放し飼いになっているが、役所で餌をやっているため、どこに居ても朝晝晩のご飯時には帰って來る。 第299話參照

この鹿が居る場所を中心に周囲を軽度に癒してくれるため、この辺りに居ると傷の治りが早くなったり、リラックスしたり、メンタルヘルスケアができる。疲れも薄っすらだが取れる。これが割と好評で、みんなに可がられている。

この通りを行き來する大勢のヒトがでて行くため、自づくろいしないにも関わらず頭や背中がツヤツヤで並みが良くなってすらいる。

私もしの間癒され、ひとでして役所にる。

「おはようリーヴァント」

「あ、アルトラ様、お帰りなさい。風の國への出張お疲れ様でした。そちらの方は?」

「ああ、このヒトは――」

と紹介しようとした瞬間にウィンダルシアが自己紹介を始めた。

「この度アルトラ殿の護衛に就きました、風の國の外、ウィンダルシア・ライトウィングと申します」

「護衛?」

「いやいやいや、護衛は間違い。一方的にこのヒトが言ってるだけだから」

「……他國へ行ってまた誑たらし込んで來たんですか?」

含み笑いを浮かべながらそう話すリーヴァント。

「誑たらし込んで來たって何だよ! 人聞き悪いわ……」

「ハハハ、まあ冗談ですが、頼もしい仲間が増えるのは良いことですよ。わたくしこの町のリーダーをしております、リーヴァントと申します」

仲間って言っても、まだ他國のヒトなんだけど……ここは元々他國と諍いさかいみたいなことがある土地ではなかったから、そういう辺りは気にしないのかなリーヴァント。悪いヒトに騙されないかちょっと心配だ。

地球出の私は、急に他國の人が護衛に就くなんて話を聞くとちょっと警戒してしまうよ……

「リーダー? 町長ではないのですか?」

「この町、まだ町長選とかやったことないからね。町が出來てからリーヴァントこのヒトがリーダーだから、そのままずっと続いてるじ」

「なるほど、そういった部分はまだまだ発展途上というわけですね」

リーヴァントに向き直る。

「それで、私に言伝ことづてというのは?」

「主なのは三ヶ所から來ています。まずは一つ目の言伝ことづてです。図書館が完したそうです」

「お~! 遂にこの町でも自由に本が読めるようになるのね!」

やっと【亜空間収納ポケット】にれてある大量の荷を下せるか。

「二つ目、小學校が完したそうです」

「図書館に続いて小學校も!?」

じゃあ図書館を學習に上手い合に利用できそうだな。

風の國から教師を派遣してくれるって話だったから、學校完を報告がてら派遣の方もお願いしておかないとな。 (第292話、第420話參照)

そうだ! 今この場に居るじゃないか風の國の外

「ウィンダルシア、風の國に教師の派遣をお願いしておいてもらえるかしら? 話は通ってるはずだから」

「了解しました」

「三つ目は発電施設が完したそうです」

「遂にキタ! やっと電気が使えるようになるわけか!」

「どの施設も、私にはまだまだ何のことやら分かりませんが、各所からアルトラ様に伝えておいてほしいとのことです」

「分かった、じゃあ後日訪ねてみるよ」

役所を後にする。

「次はどこへ行かれるのですか?」

「今日はもう特に行くところはないかな。町中をパロトールして、家帰ってクタクタする」

「は、はぁ……」

何だか不満気な顔だな。何に引っ掛かったんだろう?

「まあとりあえずパトロールを続けましょうか」

通貨制度開始後から急速な発展を遂げた商店街に來た。

何も無かった村をは思えないくらい店が充実してきている。

そんな中、魚屋に目が留まった。

魚やエビ、カニなどの甲殻類は以前から売られていたが、最近ではそれに加えて貝類まで並ぶようになった。

これは多分レイアが火の國で貝類の存在に気付いたからだろう。 (第407話參照)

それ以前は食べだと思っておらず、巖に張り付いている石か何かだと思ってたらしいし。

「お、アルトラ様、二週間振りだね~」

「ああ、ちょっと他國へ出張してたもんで」

「そうかそうか、どうだいエビなんて」

でっかいエビを勧められた。地球のブラックタイガーより大きいかも。

「良いね~、今夜は天丼にでもしてもらおうかな」

「まいどあり」

エビを三尾購

すぐに【亜空間収納ポケット】にしまう。

その他、八百屋、屋などと見て回る。八百屋や屋も品數が充実してきた。

特に我が町のは、 (鳥や豚は多あれど)ガルムの狼ほぼ一択だったものが、行商人が來るようになったためか品數が増えた。

この世界では氷魔法が存在しているため、を傷めずに行商で運搬することが可能。そのため比較的新鮮な狀態で手にるようだ。って來る數はまだまだないものの、牛や豚のが定期的に買えるようになった。

そして、飲食店も増えてきた。

「お晝時だし、喫茶店にでもりましょうか」

ウィンダルシアを伴って店。

「あ、アルトラ様いらっしゃい! 初めて來てくれましたね!」

「そうなんだよ。中々ご飯時にこの辺りを歩くこと無くてね」

「何にしますか?」

「じゃあ卵とハムのサンドイッチとコーヒーを。ウィンダルシアは?」

「う~ん……蟲を使った料理ってありますか?」

「む、蟲? な、何で蟲?」

突然の嗜好の違いに度肝を抜かれしまった。

「お、おかしいですか? 我々鳥人種はサンドウォームやヘルムワームなどの蟲を好んで食べるのですが……」

ヘルムワームって聞き慣れないな……名前からするとカブトムシの蟲……みたいな?

「そ、それって生で食べるの?」

ウゾウゾいてるのを食べるんだろうか……?

「生で食べる者もいますが、風の國首都ボレアースでは行儀が悪いので大抵はカラッと油で揚げて食べられることが多いですね」

「なるほど。ごめん、この町にはまだ鳥人種居なかったからそこまでは気付けなかった」

「も、申し訳ありません。蟲の食材はまだここにはありませんので……」

「そ、そうですか……それは殘念……じゃあアルトラ様と同じもので」

「了解しました」

な、なるほど……鳥人種だから人型とは言え、鳥の特徴も濃く殘ってるわけか。

う~ん……まさか蟲の食材のことを聞かされるとは……今後國際も徐々にかになっていくだろうし、そういうところも対応していく必要があるのかもな……

行商人で、蟲売ってる隊商っているのかしら……?

簡単に軽食を済ませ、喫茶店を後にした。

町の西の端まで歩き、そのまま突き進み川を渡る。

「ん?」

「どうかした、ウィンダルシア?」

「ここから先は別の町ですか? が赤い亜人が多くなりましたが……」

「いや、同じアルトレリアだよ。こっちは第二區畫」

こちらも商店街が出來てきて、多賑わいつつある。

「分けてるのですか?」

「いや、こっちの區畫に居るのは主にレッドトロル族。グリーンが先住民で、レッドは後からここに移住したから綺麗に町が分割されたみたいになってるんだよね」

「仲が悪かったりするのですか?」

「いや、そんなことは無いと思うよ。集団で言い爭ってる場面を見たりもしないし。私としてはもうちょっと混じり合ってくれるのが理想なんだけど、ちょっと難しいみたいでね。ある程度の人數の行き來はあるみたいなんだけど、まだまだ理想には遠いってじかな」

移住した當初に比べればレッドトロルがグリーントロルへ、グリーントロルがレッドトロルへと流や行き來が出來てきてはいるが今一つというところ。

人數がグリーンに比べてないってのもあるとは思うが。

あと、メインの行政機関がグリーントロルが多く住む場所にあるってのも影響があるのかもしれない。レッドのヒトたちにはちょっと不便かもしれないが、かと言ってこちらに第二の役所を作ると、それこそ分割が濃くなりそうだし、當面は現狀維持というところ。

「じゃあ、また喫茶店りましょうか」

「えっ!? またですか!? つい今しがた食べたばかりですが……」

「こっちでも食べるために軽めにしたのよ」

「ご注文お決まりですか?」

「あれ? ニックエディーくんじゃない! 働いてるとこ初めて見たわ!」

この子は健康診斷の結果報告の時に知り合ったレッドトロルの年。 (第430話から第432話參照)

町中でナナトスらとつるんでるのはたまに見ていたが。

「ここうちの実家なんですよ。こうしてたまに手伝いしてるんです」

「へぇ~、偉いわ。じゃあミックス丼一つ。ウィンダルシアは?」

「ミックス丼とは何でしょう?」

「ニックエディーくん、何ってるの?」

「え~と……ガルムの、豚、ウサギですね。牛はまだ手にりにくいので、他三つが多めですけどご勘弁ください」

これを聞いてもまだウィンダルシアに困が見られる。

「申し訳ありません、『丼』が何のことか説明いただけますか?」

そっか、日本文化だからこれも説明しなきゃ分からないのか。

砂漠の時と同じか。 (第391話參照)

「『どんぶり』というにご飯をよそって、その上に何か乗っけると『〇〇丼』って名前になるの」

「なるほど、では私もそれで」

晝食をしっかり食べて喫茶店を後にした。

次への道すがらウィンダルシアがこんなことを口にする。

「ミックス丼味しかったですね。これはサンドウォーム丼もいけるかも」

「そ、そう……? 味しいと思ったらやってみたら良いよ……」

私は今のところ蟲のどんぶりは食べたいとは思えないが……

初めて教師の話 (第292話)が出てからほぼ二年。やっと町にも學校ができますね!

まさか二年前とは……もっと最近の投稿だと思ってた……

次回は9月9日の20時から21時頃の投稿を予定しています。

第504話【ウィンダルシアの思

次話は來週の月曜日投稿予定です。

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