《転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)》盤上の迷宮航路にご招待 66

あれからどのくらい経ったのでしょう? 私はガムシャラに戦って前に進んでいました。私はただアイさんが言うように進んできただけ。すると……

「こっちこっち」

そんな風に私達に手を振る男の姿が見えました。勇者さまです。けどその後ろにはなんだか目玉が3つくっついたような化けがいます。

「危ない!」

私はそう言って駆け出します。でも――「ああ、大丈夫。だってこいつは――」

私が近くに來た時に勇者様は続きを紡ぎます。

「――もう死んでる」

すると、の線が3つくっついた目玉に走ります。そしてそこから強いれ出てきて、バッガーン!! と弾けました。どうやらもう終わってたみたいです。

「よかった」

「ありがとう、それよりも……強くなったね」

そういって私に笑顔を向けてくれる勇者様。その瞬間、顔がボッと赤くなったような……熱を持った覚がありました。何でしょうこの気持ち? なんだか勇者様を直視できません。

私は周囲に頭を回しながら、変な音を出してしまいます。

「あわわ、はわはわ、えっ? え? そのその……」

そしてようやく絞り出した言葉がこれです。

「ありがとうございます……」

下を向ききつつ、ちらっと私は勇者様の方を見ます。すると目があって優しげな瞳で笑いかけてくれました。更に高鳴る心音。まるで脳天を突き抜けたかのような……そんな気がしました。

「サボりですか?」

「そうじゃないだろ。待ってたんだよ。ちゃんとやることはやってるよ。はいこれ」

何かを勇者様はアイさんに渡しました。それを彼の所に収めます。おっぱいに押し付けると何やら沈んでいったのです。

それを見て勇者様はバッと顔を背けました。そんな様子をみて、何故かチクッとが痛みます。なんでしょうこれは。実際はあんまり二人はそんなに仲が良いようには見えません。

會話だってそんなにするわけじゃないです。二人きりで居ても無言の事がおおいです。それか勇者様が會話を振ってるか。アイさんは必要な事、しか喋りません。

でも、妙に勇者様はアイさんに歩み寄ってるような? そんな気がします。いえ、なにせ仲間ですからね。気まずいよりは気安い仲になりたいというのは當たり前です。

それに優しい勇者様はきっと人間関係にも気を使ってくれてます。私にも優しい。だからきっと、気にするようなことじゃない。そのはずです。

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