《転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)》盤上の迷宮航路にご招待 69

はっきり言ってこの數ミリの狹間は完度が嵩すぎる。下手に閉じるとかできない。あまりにも干渉をしすぎると、逆にこの安定してる時空間の狹間が不安定になる可能がある。

そうなるとどうなるのか? すぐにメタリファーが対応してくれたらいいけど、ここに來てから一度もあいつは姿を見せてない。もしかしたら私達の行を何処かから観ててほくそ笑んでるのかもしれないが、メタリファーがなにか対応してくれる――というのは希的観測でしかないんだよね。

流石にこれだけの場所を放って崩壊させないだろう……と思うんだけど……それって……

「私の覚なんだよね」

つまりはそういうことだ。それって私の人間によってる考え方だ。前提としてメタリファーは私達とは全く違う存在なんだ。つまりはその思考だって全く違う。私達が當然とか思ってる事がきっとあいつには通用しないだろう。

だからそれを宛にするのはよくない。下手にこの安定しきってる時空間の狹間をつつくと、不安定になって、全てをその空間に吸い込む掃除機へと変わってしまうかもしれない。

それか無限に拡大していって、この場所を全て飲み込んで消滅……とかさ、最悪はそうなる可能はある。だって……

「まさかそんな世界があるとは……ね」

アイが送ってきた様々な船の記録。その中には故郷である世界が空間に消えた記録があった。そこはすごい研究に熱心な人達が多い世界だったそうだ。世界は3つの海が縦に並んでて、上の海に広がる大地が下の海と大地を支配する……そんな世界。

上の方は技力がすごくて下は奴隷的な分だったみたいだ。そこで研究されてたのが空間の拡張だった。その研究を盜み出した下の人達が拙い知識でそれを発させてしまったことで起こった事故で、その世界は空間の狹間に消えることになった。

上の海の奴らが船を作って世界を出。その船がたどり著いたのが、何の因果がこの場所だったというわけだ。

でもなかなかに空間の制……そしてその研究で有意義なデータが沢山あった。

けど……

「この人たち失敗してるんだよね」

これをそのままやると私も二の舞いになる可能がある。なんかそのフラグが私には見える。

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