○これより、モンスターエレベーターを起します。

「思っていたより広いな」

エレベーター部は、ボス部屋程じゃないものの、縦にも橫にも広い円柱狀の機械部屋だった。

勝手に表示されたチョイスプレートには、事前にメルシュやジュリーから聞いていた容が表示されている……だけでもないな。

○最上級コース

・敵が全てＳランクモンスター

・合計ポイント250以上で報酬の數を二倍

・自分の分の報酬のみ、ライブラリに記載のあるの中から選択可能

○コースを選択してください。

★通常コース ★最上級コース

「聞いてたのと違うけれど……まあ、やってやるか」

“ディグレイド・リップオフ”を大量に手にれるチャンスだし、観測者もそれを見越して乗ってくると思ったんだろう。

俺は、最上級コースを選択。

○第一試合を始めます。準備はよろしいですか？

YESを選択すると、床の中央の円が回りだし、二つの赤いがモンスターを形していく。

「いきなり二とは聞いてないが？」

まあ、必要クリアポイントが250以上って所で、なんとなく察してたけれどさ。

『第一試合、ジャイアントオーガ二との戦闘を開始します』

グレートオーガよりも巨大な、赤黒いオーガ二がき出す。

「いきなりだけれど、楽をさせて貰おうか――“贋作”、“レギオン・カウンターフィット”」

クマムが第三回大規模突発クエストで手にれたというユニークスキルで、ライブラリ欄にある武を生みだして裝備。

「弾劾し盡くせ――“雄偉なる業魔悪鬼共を蒸発させよ”」

その力で、チトセとの錬剣へと変える！

「――“隨伴の水蒸気”」

高溫の水を生み出し、ジャイアントオーガの間近で強烈な発を連続発。

「さすがＳランクモンスター」

隨伴の能力だけだと、決定打に欠けるか。

「“神代の剣”――“水蒸気大地剣”、イヴァポレイショングランドスラッシュ」

のあちこちが欠損していた二を橫に切り裂き、始末を終える。

「どうせだ。“カードダセ”で手にれたスキルも試していくか」

●●●

「“稼働”――“重力砲”!!」

Ａランクモンスター、“黒鬼”二の半を消し飛ばす。

“レギオン・カウンターフィット”を変化させた“エロスハート”のおかげで、ＭＰ消費を気にせず大火力攻撃ができる。

「“重力魔法”――グラビティーベクトル!!」

一にとどめを刺し、殘り一を武で仕留めた。

「ハァー、ハァー、ハァー、ハァー……これで、十試合目もクリア」

力の回復のためにも、一度休憩を取ろう。

自分でチョイスプレートを作しなければ、次の試合が始まらないのは救いだな。

「最上級コースなんて聞いてなかったから通常コースを選んだが、最上級を選ばなくて正解だったな」

今でもキツいのに、これ以上はおそらくクリア不可能。

「レギオンリーダー殿は、今頃どうして居る事やら」

“エロスハート”から“マッスルハート”に変え、ＴＰも回復させる。

“ソーマ”で軽くを潤したのち、が本格的な休息を取り始める前に、十一試合目を開始。

『第十一試合、“アサシン・レジェンド”との戦闘を開始します』

大柄な、白フードを被った人間？

「――速い！」

跳躍から壁を自在に蹴り跳び、目で追うのも難しい移速度！

「――“重力支配”」

“マスターアジャスト”化した“レギオン・カウンターフィット”ディグレイド・リップオフ”、略して“偽レギ”によって“この重圧に堪えきれるか”に付與した能力で、急速接近してきた“アサシン・レジェンド”を這いつくばらせる。

「さいなら――“重力砲”」

さすがの威力。“稼働”を使ってなくても、一撃でＳランクモンスターを消し飛ばしたか。

「黒鬼が頑丈だったのか、防能力だけならアサシン・レジェンドよりも上だった気がするな」

●●●

「エレジーとネロ、すっかり関係が変わっちゃったね」

コセ達を送り出した後、魔法の家の領域に戻ってきた私達。

二人のイチャイチャ振りはすぐに始まった。

一応、モモカとバニラの前では気を付けているみたいだけれど。

「あれ、“超同調”を使ってからああなったんですよね？」

ノゾミがリューナに確認しちょる。

「らしいな。もしかしたら、錬剣を作る時以上に深くわったのかもしれないが」

「だとしても、あんなにも人格に影響が出るなんですか？　……どうしよう」

コセと錬剣を作るか悩んでいるノゾミ……こっちは、その土臺にすら上がれてないっていうのにさ～。

「……人格に影響か」

私も、リューナとかに“超同調”を使って貰えば、十二文字刻めるようになるっすかねー。

●●●

「“大地肩腕”」

両肩に大型の腕を出現させ、飛んできた大剣を裏拳で弾く！

「“キング・オブ・ソード”に、“キング・オブ・アックス”、更に盾の奴か」

王剣を中心に様々な浮遊剣、王斧を中心に様々な浮遊斧、王盾を中心に様々な浮遊盾が展開し、取り巻き的な浮遊武だけが襲ってくる。

「十戦目で、Ｓランク三を相手か」

これ、250ポイント以上って言ってたけれど、強制的に二十試合するの決定だよな。

「オールセット４」

カードダセで手にれた“大地肩腕”に、“偉大なる鬼神の腥風剣”と“偉大なる英雄竜の猛撃剣”を持たせる。

「“二重武”――“破壊武”、バスターブレイク」

武破壊Ｌｖが高い攻撃で、高速で飛んできた剣と斧を砕き壊す。

「さてと」

二振りの剣で対抗している間に、トゥスカから借りた“偽レギ”を“マスターアジャスト”に変更し、“サムシンググレートソード”に融合させる！

「“大地支配”」

巖石の壁に、飛んできた浮遊武をめり込ませて閉じ込めた。

“大地支配”。錬剣の“大地支配”より負擔はないの、隨伴の能力と比べると能力行使がワンテンポ遅れて、融通が利かないじだ。

本當、自発的に付いてきてくれる隨伴と、無理矢理に従わせる支配の差ってじだな。

閉じ込めている間に、“破壊武”で確実に減らしていく。

「だいぶ減ってきたな」

本は、おそらく中央の直立している武。

「“破壊武”、オブジェクトブレイク――“拳腕噴”!!」

魔神・隕鉄巨兵から手にれたスキルを使用し、破壊エネルギー纏う剣を持ったまま――ロケットパンチ!!

“キング・オブ・ソード”と“キング・オブ・アックス”を撃破。

本が倒されると、取り巻きの浮遊武が消失した。

「お前も終わっとけ」

“大地支配”で、“拳腕噴”の勢いのまま飛ぶ“大地肩腕”をり――“キング・オブ・シールド”の本も破壊。

「うん、良い訓練になった！」