「満足した？」

「……うん」

ゴツゴツした床で、白い布にくるまり、抱き合いながら語り合う私達。

「行為の一つ一つに、をじた♡」

「お、おう」

照れた反応、可い♡

「……無理に迫ってごめん」

「良いよ。本気で嫌なら拒んでたし」

この人なら、そう言うだろう。

「私は、ので差別的な扱いをけてきたから……強くて私をけれてくれる雄を逃したくなかった」

このコミュニティなら、私のもう一つのみもけれてくれそうだし。

「コセ……私は、子供は作らない。自分の子供はしくないんだ」

「……のこと？」

「ああ」

すぐに察してくれる……私をちゃんと見て、理解しようとしてくれていた証拠。

「自分の子供や孫が、その先の子孫が……私と同じで生まれたら……可哀想だ」

自分で言って、の奧がブスリと重くなる。

「がたくさん居るんだ、子供は私以外が産めば問題ないだろう？」

それが、私がこの男を選んだもう一つの理由でもあった。

「……モーヴが本當にそれをんでいるなら、俺もそれで良いよ」

「ありがとう……」

短い付き合いなのに、私のみを最高の形で葉えてくれやがる。

「でも――気が変わったら、産んだって良いんだからな」

「……」

コイツは、どこまで私を理解してしまっているのだろうか……。

「……気が変わったらな」

自然と、更にを著させる自分が居た。

●●●

「第五十三ステージのボスは、魔神・合獣。弱點屬は竜、有効武は剣、危険攻撃は、今までの魔神のんな攻撃全般かな」

ボス部屋前でのメルシュさんの説明。

「ステージギミックは無いけれど、通常より“天賦覚醒”しやすいから気を付けて」

説明が終わり、最初に私とクマムさんのパーティーで挑む。

「じゃあ、よろしく。ツグミ」

「よろしくお願いします」

ネロさんとエレジーさん、また見つめ合って笑ってる……微笑ましいですね♪

「來るわよ」

ハユタタさんの聲に部屋の奧に目を向けると、暗がりで様々な合いのが線狀に走って……今までで一番多いかも。

「て、へ？」

んな魔神の特徴を持った魔神が、二いる!?

「聞いてないんですけど？」

右は人型魔神の集合で、左はそれ外の魔神の集合に見えます。

「分擔しましょう！　左は私のパーティーでけ持ちます！」

クマムさんが迅速にいてくれた！

「ありがとうございます！　皆、私達は右を！」

「頑張れ、ツグミ」

「ツグミならやれるわ！」

ネロさんもハユタタさんも、戦わない気満々ですか！

「もういいです！　“六重詠唱”――“連続魔法”」

ユウダイさんが手にれてくれた、“ダイバビロンのスキルカード”から得たスキルを行使！

「“桜火魔法”――フレアブロッチェカノン!!」

掲げた右手の先の六つの魔法陣から、火花のしい砲火を連続発!!

私のＭＰが続く限り、私が止めない限り、この魔法の連続発は終わらない！

『“火喰い”』

途中から、炎が全て――魔神・火喰い鳥の能力ですか！

「“二重武”、“萬雷投槍”――サンダラスジャベリン!!」

ハユタタさんの神代文字込みの攻撃が決まり、魔神の歪な人型のを貫いた！

『“氷炎魔法”、アイスフレイムバレット』

魔神・四本腕の魔法！

「“神魔法”――ミスティックブラスト!!」

青い炎が広範囲に広がる前に、セリーヌさんが対処してくれる。

「アイツ、能力が多過ぎでしょ！」

ネロさんの言うとおりで、今度は大きな雲に乗ったあげく、髪から毒を持った猿に、小魔神まで出てきた！

『“人工知能”！』

『魔神・紫雲猿と魔神・胎母像の能力です』

アイちゃんが教えてくれる！

「“逢魔砲”――“連”!!」

雑兵がこれ以上増える前に、一気に殲滅！

『“逆三暗黒宮”』

『無數の黒の槍、追尾して來ます』

背後の黒い逆三角紋より、闇の槍が連続発。

「“絡繰り鬼兵”」

ネロさんが呼び出した金屬骸骨の上半が変形――鞭のように撓らせた腕との盾で、暗黒の槍を全て防いでくれる！

「“狂投擲”、ブラッドフリング――“分裂”!!」

投げた黒いナイフ、“道化の投げナイフ”が無數に増えて、魔神にダメージを與えただけでなく、雲を壊して落下させた！

『魔神・転剣狼と魔神・多腕円の武を裝備』

アイちゃんの言うとおり、いつの間にか巨大なブーメランとチャクラムを裝備している！

「させっか!!」

セリーヌさんが、この前見せてくれた“古代兵裝／四枚盾フェルミオン砲臺”をり、肩から生える腕に持った投擲武を、腕ごと撃ち飛ばしてくれた！

『“天賦覚醒”、來ます』

「これ以上はやらせない――」

掲げた左腕に裝著されたピンクの機械甲手、“紡ぎ噤む春の鳴”に十二文字が刻まれ――“紡ぎ噤む春の胎”へ！

「――來た」

この數日、心の奧でじていた躍が、ようやく形となって顕現した！

『魔神・銛人魚の武を裝備しました』

青い石の銛を振りかぶっている。

『“氾濫武”――ハープーンブレイク』

「“神代の拳”――桜火拳!!」

正面から、放たれた魔神の銛を砕!!

「“ワッカカムイ”――“泥土魔法”、ベリアルバイパー!!」

『“二連瞬――』

ハユタタさんの魔法で出現した泥の大蛇が、魔神のきを止めてくれる！

「「「行け、ツグミ!!」」」

三人の神代文字が、私の神代文字と共振していく！

「“神代の発口”――“魔力砲”、“連”!!」

“天賦覚醒”で上がった防能力で耐えられたのは一発目だけで、三発目をける頃には、跡形もなく、魔神・合獣は消し飛んでいた。

○○○

「“熾天使化”――“天使の威圧”!!」

神代文字の力込みのの重圧で、異形の魔神・合獣のきを止める。

「カードダセでコセさんが手にれてくださったスキル、便利ですね」

「“破邪解放”、“ニタイカムイ”、“神代の斧”――ハイパワーアックス!!」

「“神代の拳”、“氷炎の競演”――氷炎拳!!」

『“水晶魔法”――クリスタルバレット』

魔神の魔法をともせず、ノーザンさんとナオさんの攻撃が決まる。

「行きます――発!!」

リエリアさんの“マキシマム・ガンマレイレーザ”が直撃――効いてない？

「魔神・大盾亀の“偶発無敵”だ余！」

ランダムにダメージを無効にするスキル！

『“樹弾”』

「――“暴慘禍”!!」

エレジーさんの黒い竜巻がリエリアさんを守っただけでなく、魔神にダメージまで與える。

「“天賦覚醒”――“魔人武”、サタニズムブレイカー!!」

『“豬突猛進”!!』

自を強化したナノカの一撃と、エネルギー纏う突撃が正面からぶつかり合う！

「行け、私のマスター!!」

ちょうど、魔神の頭上を取った！

「――“裁きの降臨”!!」

私の全から下方へと降り注ぐの柱が魔神に當たり、の流星となった私が急降下!!

魔神の巨の一部を穿ち抜き、更に周囲へとの暴威を拡散――異形の魔神・合獣を、々に消し飛ばした。

「さすが、一日一度しか使えない強力なスキル」

総ＴＰの半分も持っていかれるため、何気に使い所が難しい。

○おめでとうございます。魔神・合獣の討伐に功しました。

○ボス撃破特典。以下から一つをお選びください。

★合魔神の技能腕　★魔神王の覚醒指

★合魔神の武腕　★魔神化のスキルカード

○これより、第五十四ステージの【上級平和街】に転移します。