《転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)》盤上の迷宮航路にご招待 80
どうやら彼と彼? はそこそこいい関係のようだ。人……というじじゃないけど、なんかお互いに「認めてる」――というじ。
『おいみてみろ! ようやくエネルギーの回収に功したぞ! はははは! これは無限エネルギーの理論に葉ったことだ』
『凄いですね。けどこちらもアルストアルメストの加工と生産の目途が立ちました。この素材があれば外部からの確定干渉にあらがう事が出來ます。より安全な時空間航行の実現に寄與するでしょう』
『はっ! やるな。ならばこちらは今度は――』
『私は別に競ってるつもりはありませんが、ならこちらは――』
そんな風になんか顔を突き合わせるたびに自慢大會をしてた。いや大は私……というかこの記憶を送り込んできた『彼』が突っかかってそれに対応するように眼鏡の知的人も言い合ってるじだ。
そんなの相手にしないでもいいのに……とか思うが、もしかしたらこの知的人も自分の話についてこれるこの人との會話は楽しいのかもしれない。まあ最終的にはいつも、なんかあきれて帰ってるけどね。
なにせ大この『彼』、自分の自慢しかない。きっと承認求がとても強い人だったのだろう。それで話を聞いてると面倒になってくるというね。面倒な奴ムーブをやってる。
きっとこの人は「俺は凄い!」という事をアピールしたらこの知的人の興味を惹けると思ってるんだろう。実際その研究結果にはとても彼は興味をもってる。
きっと研究者として尊敬もしてるだろう。でも、この人を男としてみてるか? というと、多分人間として嫌いだと思う。そんなじがする。だっていつも突っかかっていくのは彼から出しね。彼からくることはない。
むしろ普段は避けてるじさえする。まあ私には『彼』の視點しかわからないから、なんとも言えないが、実際『彼』は何度も彼と會えてない時があるようだ。
でも記録に殘ってるのはどうやら彼と出會えた時だけ……それはつまり『彼』は彼との時間をとても特別だとじたんだろう。だからこうやって……『記録』してる。
(でもこんなの殘しても、ただ恥ずかしいだけでは?)
――と私はちょっと思った。自分で振り返るのはいいけどさ、けどこうやって他人にその思い出を見られるのは恥ではないだろうか? しい思い出を鮮明に見れるのはある意味でいいのかもしれないけど……そんなことを思ってると新たな場面が浮かんでくる。
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