「“暴食大”!!」

『なんだ!?』

“グロトネリアの宿斧”を投げ付け、黒山羊の人獣を食い斷つ。

「“暴慘禍”!!」

麒麟の人獣をひきに。

『ふ、ふざけやがって！』

「“穿孔腳”!!」

「“飛剣・靈”!!」

ケルフェさんとマリナさんの援護。

『コイツら、最近來た奴らか！』

『部外者のくせに、邪魔しやがって！』

「子供を犠牲に生き殘ろうとしておいて！」

『俺らだってそうなんだよ！』

え？

『なんとしても、拠點を奪って自分達の家族だけは生き殘らせる！　綺麗事じゃ誰も生き殘れねぇんだよ!!』

勝手に、攻めってきた人獣集団を悪者と決めつけていた！

「ど、どうしたら……」

「――提案なんだけれど、私達のチームに寢返らない？」

マリナさんからの突然の提案。

「ど、どうやってだ？」

「この二時間くらいで、“鞍替えの＄金貨”を七枚手にれたでしょ？　それを人數分、手にれればいいのよ」

「そっか！　私達の陣営に加えるんですね！　あなた方の人數は？」

「さ、33人です」

『……18人だ』

「全部で41枚。他のメンバーにも聞いてみましょう！　あなた方は何枚持ってます？」

「へ？　……ぜ、０です」

『俺達は３枚だ……』

「あなた方も、仲間が何枚持ってるか確認してください！」

レイナさん達のお知り合い、絶対に全員で生き殘りますよ！

「あ……」

ここの結界が復活しちゃった。

●●●

「……エレジーめ」

そこの陣地を手にれれば、私達はこのクエストから抜けられたのに。

『どうする、コトリ？』

レリーフェさんに尋ねられる。

コセさんなら――ギルマスなら、全員を救ってみせたはず！

「所有する金貨の枚數を急いで確認する」

通話を繋いでいたジュリーさん、ルイーサさんにも伝える。

『あの……私、“鞍替えの＄大金貨”というのを持ってるよ？』

ジュリーさんの発言。

「大金貨？　効果は？」

『別チームの“地球儀”に使用すると、その“地球儀”所屬のチーム全員を丸ごと鞍替えできるみたい』

なんて都合の良い！

「何枚持ってる？」

『大金貨は１枚。金貨は六枚』

『私達は金貨が２枚』

大金貨を攻め込まれた側のチームに使えば、なんとか足りる。

「チョイスプレートで金貨をエレジーに送って。ケルフェ達三人には、金貨を持って獣人達の屋敷へ行くよう伝えて、レリーフェさん」

『それだと、今ケルフェ達が居る屋敷が手薄になるだろう？』

「すぐに援軍を送るから、合流しだい部から結界を破壊して、獣人達を屋敷に向かわせるようにしよう！」

どんどん、この屋敷の防衛戦力が下がっていくけれど。

「サトミさん、リンピョンとメグミさんを率いて、すぐに向かってしいんですけど！」

「ええ！　子供たちにいっぱい、味しいご飯を食べさせてあげるわ！」

「よ、よろしく」

サトミさん、やっぱ大だ。

「もう、十五時半を過ぎた」

報通りなら、早いと十六時には大量のモンスターが現れるかもしれない。

「間に合えば良いんだけど……」

●●●

「へいへいへーい！」

「た、助けてくれぇぇ!!」

「いやー、死にたくなーい!!」

エルフの男、フェアリーの、ホーン族の男が、得の知れない？　個なのかも判らない薄茶味の何かに絡み取られ、きを封じられたのち……口の中に流し込まれ……窒息死させられたみたい。

「雑魚だなー」

小柄な癡みたいな人が、あの妙な？　を消しながら、そのの発生源と思われる剣を掲げる。

「さすがSSランク。苦労して手にれたかいがあったよ」

あのデタラメな能力、やっぱりSSランクなんだ。

それにしても、この周囲に漂う甘ったるい匂いは……。

「で、そこでなにしてんのかなぁ！」

剣の形狀が蛇のように変化し、私がいた店の屋を破壊する。

あのじ、やっぱりじゃなくて固？

「姿を消してないで出て來なさいよ、卑怯者」

卑怯者呼ばわりは……ちょっと嫌かな。

“明化”を解いて、姿を曬す。

「…………イケメンだ」

「へ？」

イケメンて、私は……あ、今は“男化”してた。

「それもイケメンポニーテール！」

この人、イケメンのポニーテールが好きみたい。

「貴方はどこかのレギオン所屬ですか？　それともパーティー？　僕を仲間にれてください！」

さっきまで殺意を向けてた相手に、仲間にれてって……この人、凄く変な人だ。

「……神代文字って知ってる？」

「なんですか、それ？」

「武に青い文字を刻めたこと無い？　できたら仲間にれてあげる」

あれができるかどうかで、ある程度、人として信用できるかどうか判斷できる。

「青い文字？　あの丸い絵の事です？　裝備セット１」

武をあの甘ったるい剣から、飴のようなけた刀の細剣に変え……そこから、飴細工のような鮮やかな刀が生えた？

「――こうだっけ？」

飴の剣に、神代文字が九文字も刻まれた？

「ハアハア、ハアハア……やっぱキッツぅ……」

あの疲労合、無理して九文字が限界っぽい。

「良いよ。仲間にしてあげる」

“鞍替えの＄金貨”を投げると、相手が黃金のに包まれて……向こうにチョイスプレートが表示されたみたい。

「もちろん、YESだよ！」

同じチームになったみたいで、彼を覆うが消えた。

「まずは自己紹介だね！　僕はキャロル」

「……外國の人？」

「違う違う。キラキラネームってやつ？　僕の親がさ、パリピーって言葉が擬人化したような人達でさぁ。ノリでこんな名前にされちゃったんだよ。おかげで、小學校ではよくめられたんだよ」

なんかもう可哀想。

「……私はユイ」

「の子みたいな名前だね。あ、ごめん！　ユイさんもきっと、名前で苦労しただろうに……」

なんか勘違いされてる……そろそろスキルを解こっかな。

「……あれ、なに？」

空を覆う勢いで、黒い影が數千……それとも數萬？　も集まって――

「來るよ！」

まるで空で竜巻が発生したみたいに、黒い影の集団が地上へと落ちてくる!!

「任せて！　裝備セット２――“軍糧ぐんろうせい支配”!!」

また出た茶味の何かが、コウモリみたいな集団をハエのように絡め取り、きを封じていく。

「どうです？　僕って良いでしょう！」

「ダメ……數が違いすぎる」

どこか隠れられる場所――プレーヤーが居る宿が目にった！

「刻みつけろ――“雄偉なる波紋夜の渉緑”」

素早く裝備を変え、“偽レギ”で錬剣を形!!

「“勇猛大地剣”――ブレイブグランドブレイク!!」

九文字刻んだ狀態で、宿の結界を破壊!!

「ええ、一撃で!?　ユイさん、凄い！」

「こっち、早く！」

敷地にる。

「こいつら、付いてくるよ！」

「結界が復活するまで五分、ここで耐えるよ！」

半日の間、々観察してて気付いたことの一つ。

一つ目と鋭い牙並ぶコウモリみたいなやつ、五分間は絶対に宿に近付けさせない！

「“隨伴の勇猛”!!」