《転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)》盤上の迷宮航路にご招待 88

『そうなのか……』

『はい、あの博士はもしかして母の事……』

『はは、よしてくれ。彼はただの友人……いや違うな。ライバルだっただけだよ。こっちが勝手に思ってただけだがな。なにせ彼は他の男とよろしくやってたわけだからな』

必死になんか取り繕ってる彼。絶対にショックをけてるよアレ。だってこれは彼の記憶。心臓バクバクしてるのが私にはまるわかりだ。きっと彼は、彼と顔を突き合わせてるときはその心に、自分でも気づいてなかった。

でも彼が罪を全てかぶって死刑になった時、気づいたはずだ。自分が彼してたと。だからこそ、ここまで引きずってるんだろうしね。けど今明かされる衝撃の真実……いや私的には別にそこまでショックでもない。

だって……ね。彼はきっと彼と良い関係――って奴を築けてると思ってたと思うけど、実際傍から見てるとそうじゃなかったしね。実際あの知的人さんも面倒そうだったし……それを考えたらこれは別に何もおかしくなんてない。

にはあのころには既に結婚して伴がいたというね。まあ彼と出會った頃には妊娠してた記憶はない。お腹が大きくってたこともなかったし……ならば彼と出會ったときにはもう生まれてた……のかもしれない。

どうやら彼と知的人さんが結ばれることは萬に一つもなかったと……そういう事だ。それが何十年後かに明かされたと……それだけの話。

『彼の子供ということは、君も大層優秀なんだろう。これを完させようとしてる事からもわかる』

『それは……』

なにやら辛そうな顔をちょっとだけする知的人の息子さん。実際、天才の子が天才なのかはわからないからね。いや、もちろん同じ研究者になってるわけだし、優秀なのは間違いないだろう。でも……天才なのかはまた別だ。

それにこの人はまだこの死數次元確定裝置を完はさせてないんだよね? もしもあの知的人さんと同じくらいの天才なら完させられるんでは? でもそれが出來てない時點で……

『博士、手を貸してくれませんか? ジャンル違いなのは分かってます。ですが、私たちは知ってます。貴方が母の研究を獨自に研究してた事を』

なるほど……々と苦悩してたのは、彼は専門外に行ったから……なのかもしれない。二人とも確かに天才だった……けどその得意分野はそれぞれ違ったみたいだからね。

なのに、彼は死んだ彼に未練たらたらだったから、その研究を獨自に調べて勝手に研究してたと……そういう事か。

『無駄だよ。結局俺には彼の目指したものを理解することもできてない』

『お願いします! その研究結果を共有してくださいませんか! きっと貴方の研究の結果は私たちとは違うところに行ってるはずです。

だって……そもそも母と貴方は見方が違ったんだ』

彼は自分の研究は失敗だったと思ってる。なのに、それを知的人さんの息子はほしいという。それが必要だと……そんなものでよかったら……と彼はデータを差し出した。

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