《天使転生?~でも転生場所は魔界だったから、授けられた強靭なと便利スキル『創魔法』でシメて住み心地よくしてやります!~》第517話 アルトレリアに出來た小學校の検 その2
次にった部屋もこじんまりとした部屋。
「ここは何になるのですか?」
「校長室の予定だね」
「『校長』と言うと、一番偉い方ですか?」
「そうだね」
「校長にはどなたがなるのですか? どなたかアテがあるのですか?」
「えっ!?」
あ、そうか! 校長って、當然だけど誰かがやらなきゃならないんだ。
でも、この町で校長ができそうなほど學がある者なんて居ないし……
「アルトラ様がやるのはどうですか?」
「いやいやいや、私そんなに頭良くないし無理だよ。それに國の代表と校長兼任だなんて、それこそ名前ばかりの校長になってしまうよ」
負擔が増えてしまうが、新しく來る先生に校長も兼任してもらうか?
でも、この町以外から來たヒトに、いきなり校長になってくれってのはどうなんだ?
カイベルに助言をお願いするか。
「私にちょっと考えがあるから任せてもらえる?」
「分かりました。それで、この部屋は主にどんなことに使うのですか?」
「さあ? 私も詳しくは知らないのよ……」
だって、小學校時代も、中學校時代も、高校時代も、校長室なんて片手で數えるくらいしかったことないしね……
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高校に至ってはどこに校長室があったかすら知らないし……
「ひ、必要な部屋なのですか?」
「さあ? 『校長室』って言うくらいだから校長先生が居るであろうことは間違い無いんだけど……大事なお客様の対応は多分ここでするんだろうから、一応あった方が良いんじゃない?」
「大事なお客様? わたくしども役所でも大事なお客様の対応はすると思うのですが……」
「いや、『國単位』じゃなくて、『學校単位』のお客様かな。學校関係者の相談事とかをするんだと思う」
ただ……まだアルトラルサンズこの國にはここ以外に學校が無いから、學校関係者で集まって會合が開かれるのも遠い未來になりそうだが……
「ああ、あとここで児たちの表彰とかされるのを (テレビで)見たことがあるよ」
「『表彰』とは?」
「え~と……特別な功績を上げた子に対して、褒めそやすことかな」
「何か貰えるのですか?」
まあ功績上げたって聞けば、何か褒賞があると思うのが普通だよね……
「多くは賞狀を貰える」
「『賞狀』とは?」
「簡単なものなら――」
と言いながら創魔法で賞狀を作って見せた。
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「こんなじで紙に書かれたお褒めの言葉を貰うんだけど」
「紙ですか? それを貰って児はどうするのですか?」
「誇らしく思う」
「ほ、他には?」
「え? 無いけど……」
「論ですか!?」
「ま、まあ、今はまだ何も無い校長室この場だからそう思うかもしれないけど、実際に功績上げて賞狀貰ってみると意外と嬉しいものだからね。私の場合は額縁にれて仏間の天井付近に飾ったりしてたよ」
「ほぉ~、なるほど」
沢山貰い過ぎてる優秀な子は、もうそれ以上要らないものとして、半分に折ってぞんざいに扱う子も居たけど……
私の場合はそれほど表彰される機會があったわけじゃないから、丁寧に筒狀に丸めて持ち帰って、きちんと飾っていた。
「あと大きい大會になるとトロフィー貰えることがあるね。団戦で優勝とかする強豪チームになると校長室にトロフィーがどんどん増えていく」
「『大會』って何でしょう?」
「え~と……チーム同士で戦うイベント……かな? 沢山のチームが集まって勝敗を決するスポーツを行うってじかしらね」
「確か……最近子供たちの間で流行りつつあるサッカーとか野球がスポーツに當たるのですよね?」
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「そうそう、そんなじのやつ。広い意味で言えば運すること全般がスポーツになるけど」
スポーツに関しては先住してきたトーマスやリナさんら水の國アクアリヴィア組から匂わせる程度には伝わっていたが、諸外國からの流が増えたためか、行商人からサッカーやら野球やらのスポーツ文化がきちんとした形で伝わってきた。
ボールすら存在してないアルトレリアだったが、行商人が持ち込んで手が容易だったのもあるだろう。
運神経の良い子たちの間ではサッカーが流行り始めている。いずれはチームが作られるかもしれない。
「『トロフィー』というのは?」
創魔法で片手に収まるくらいのトロフィーを作り出す。
「多くはこういうじの金の杯だよ。これは小ぶりだけど、大きいものは両手で持たないといけないくらい大きい」
「おお、これは貰えると嬉しいですね!」
「でしょ? じゃあこれをリーヴァントにあげるよ。町の運営をがんばってくれてるんで表彰します」
「ありがとうございます! 一生大事にします!」
そんな大仰に喜ばれるほどの意味合いは無いのだけど……
「まあ、こんな合にトロフィー貰ったら嬉しいでしょ?」
「そうですね。確かに誇らしくじるところがあります」
「そういう『表彰をする部屋として』必要なんじゃないかなと思うのよ」
「なるほど、納得いきました」
「じゃあ、納得したところで次へ行きましょうか」
◇
次に訪れたのは保健室。
「ここもそれほど大きくはないですね。ここはどんな部屋なのですか?」
「簡単に言ってしまえば、アスク先生の居る病院みたいな部屋かな。病院ほど専門的なことは扱えないけど、児が怪我したり、気分が悪くなってしまった場合に利用される部屋だね。今はまだ無いけど、後々ベッドを四床ほど置く予定」
「怪我人が休む部屋ということですね」
「調が悪い子が休んだりもするね」
「なるほど、熱がある子だったりとか?」
「そうそう」
トロル族でも數ない『熱を出したことがあるトロル《ヒト》』だから、理解が早い。 第376話參照
「でも、ただ単にサボるためにベッドで寢てる子も居たけどね」
「そういうのは叱らないのですか?」
「だって先生側から見たら見た目からじゃ調悪いのかサボりなのか分からないしね。そういう子は友達にはサボりって言うけど、先生には調悪いって言うから」
「な、なるほど。調悪いことに関連して一つ聞きたいのですが、例えば指を切斷してしまったりした時もこの部屋に來れば良いのですか?」
「いやいやいや! そういうのはもう病院に直行だよ! すぐ行けばくっ付けられるかもしれないし!」
指の切斷を保健室で済まそうとするって、正気か!?
「そんなに大ごとですか? 三日ほどもすれば生えてきますが……?」
「…………まあ、トロル族あなたたちは再生力バカ高いから大した怪我じゃないと思ってるかもしれないけど、それ、他の亜人からしたら結構深刻な怪我だからね? 大抵の生は自然治癒で指が生えてくるなんてことはないから」
「そ、そうなのですか……?」
「保健室ここは小さい切り傷くらいの治療しかできない、ってのが基本なんだけど……保険の先生次第ではもっと大きい傷も治療できるかもね。例えば回復魔法が使える先生が來てくれたりする場合は、それこそ指の切斷でも治してもらえるかもしれない」
地球とは環境が違うから、回復魔法が使えるヒトが赴任してくれれば、致命傷でもなければ保健室で対応可能かもしれない。
まあ、これはかなりみ薄だから計畫としては組み込まない方が良い。ただでさえ魔法が使える者がない魔界なのに、自國の回復魔師をわざわざ他國に常駐させる形で派遣してくれるとは思えないからだ。
魔法を使えるアスク先生が來てくれたことだって、風の國のアスタロトが私を贔屓ひいきしてくれなければ実現できなかったくらいの幸運だし。
「あとは、測定とかやる部屋でもあるね」
「測定……以前アスク先生のところで実施されたやつですね」 (第426話から第428話參照)
「そうそう、あんなじのこと。年に二、三回くらい行われるんだけど、実施される度に長がびてたり、重が増えてたりしてね、自分の長を実できるよ。健康手帳にその日測った長や重を記していくんだけど、徐々に徐々に數字が大きくなっていくのが嬉しかった覚えがあるわ」
生前は長百六十センチくらいあったはずなのに、現在は隨分んでしまったけど……
「わざわざ長や重を記して殘すのですか?」
「そうだね。子供は長が早いから、それによってきちんと長できてるか、きちんと栄養が取れてるかってことを確認する側面もあるみたい。これは余談なんだけど、そういう子供のって親は結構後々まで殘しておくことがあってね、私がまだ地球で生活してた時は學校で得たもの作ったものを沢山殘してあったよ。記録も殘ってたし、テストとかもわざわざファイルに挾んで取ってあったしね、通信簿とかも」
幸いにも績は良い方だったから、散々な點數のテストは殘っていない。
「『通信簿』というのは初めて耳にします」
「年に三回、學校での生活を評価される機會があってね。その記録がされてるのが通信簿って言うの。その日にどんな績だったかによって、各家庭の運命が変わることもあるという、恐ろしい書よ……」
見開き一ページの薄っい書だが。
「運命が変わる……まさか生き死にに関わるんですか?」
「いや……流石にそこまで重いことにはならないけど…………績が悪かった子は塾へ行かされたりして自由時間が減ったりするね」
「『塾』?」
「ああ、それはまだこの町に無いから覚えなくて良いよ。この町で塾が出來た時には自然と覚えると思うから」
「はぁ……」
「さて、次の部屋へ行きましょうか」
◇
「ここは何でしょう? ここもそれほど大きくはないですが」
「給食室だね。ここで作られたものが、子供たちのお晝ご飯になる」
「おお、ここがお晝ご飯を作る部屋ですか! コンロが複數あるのは分かるのですが、何かを置く臺が沢山あるのはなぜですか?」
「ああ、ここは調理を置こうかと思ってね。電子レンジとかオーブンレンジとか」
「電子レンジとかオーブンレンジ?」
「そういう便利な道が外國にはあるのよ。この際だから新しいものも導しようと思ってね。後々國の機関にも置くようにする」
「それは良いですね!」
「ところで、給食というのは子供たちが食べるのですよね? なぜ給食室を一階に作ったのですか?」
「二階だと食材の搬が大変になるからね」
教室のある二階にする案もあったが、二階まで食材の搬をするのは面倒だろうということで一階になった経緯がある。
馬車から下ろして、大量の食材を搬するのはかなり大変だろう。
「とすると、子供たちはわざわざ一階まで取りに來る必要があるということですか?」
「いや、給食がった箱って結構重いからそれを持ちながら階段を上るのは子供の足では結構大変。それに、それをすると階段で引っかかったりして大慘事が引き起こされる可能が高くなるからね」
「大慘事とは?」
「極たまにしか起こらないことだけど、給食の中をぶちまけちゃう子が居るのよ。そうするとそれはもう食べられなくなってしまうから」
「食べられない? 床にこぼれるだけですよね? どこに問題が?」
…………ん?
……あ、ああ、衛生観念の違いかな? このヒトたちはちょっと前まで地面に落ちたものでも食べてたから……
「まあ、固形なら払って食べれば良いんだけど、例えばスープが砂や土に落ちた場合はわざわざ啜すすったりしないでしょ?」
「そ、それは確かに……別の味も混ざってしまいますし……綺麗とは言い難いですからね」
この返答からすると、リーヴァントは土に落ちたスープを啜すすったことがあるのかな……?
「同じような理由で、床にだって埃とか沢山あるから、ぶちまけてしまったものは綺麗とは言い難いのよ。埃の主分は砂だしね」
「な、なるほど……では階段を使わないのならどうやって一階にあるを二階に運ぶのですか?」
「それをするのがこの扉の中。中がエレベーターになってる」
「『エレベーター』? それも初めて聞く言葉ですね」
「一階から二階へ直接移できる乗りみたいなものかな。これは給食運搬用だからヒトは乗れないけど」
「直接移できる? どこで使われてるのですか?」
「水の國や雷の國の首都とか、発展した町では常識的な機械だったよ。し高い建ならどこにでもあるんじゃないかな」
「そ、そうなのですか!?」
「以前旅行に行った時に現地で見かけなかった?」 (第137話參照)
「さあ? なにぶん初めての外國でしたので、これに乗ったかどうかすら定かではないです。リナさんに付いて行くので一杯でしたので」
初めての旅行が外國ではあちこち見る余裕は無かったか。
「アルトレリアでここ以外に作る予定は無いのですか?」
「この町にはまだ高い建が無いから導する必要が無いからね。學校には必要だと思ったから導したわけで」
「今かせますか? どういったものなのか見てみたいのですが」
「う~ん……これも電気でくから、ダムが稼働してからだね」
「そうですか……それは殘念……」
「まあ、この町も発展目覚ましいし、すぐに他のところでも目にすることになるかもね。さあ次の部屋の検に行きましょう」
小學校を建てる話なので、小學校の頃の記憶を掘り起こして書いてますが、それなりに覚えてるもんですね。
中には現在の小學校とは全然違うことになってるようなエピソードもあるかもしれませんが。
次回は10月28日の20時から21時頃の投稿を予定しています。
第518話【アルトレリアに出來た小學校の検 その3】
次話は來週の月曜日投稿予定です。
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