《終末デイズ〜終末まで殘り24時間〜》椎名 蒼の章:4

面の紐を後ろで固く結び、右腳から立ち上がる。

剣道部を辭めてからそれほど間も空いていないというのに左手に握りしめたカーボン製の竹刀は私の手を拒絶するかのように手に馴染まなくなっている。

紅菜も試合の準備が整い、屈や跳躍などをしてをほぐしていた。

「アィヤァァァァァッッッッッ!!!!」

「キィェェエエェェェェイィィ!!!!」

試合が始まった。

夕暮れとはまた違う赤のを背にけながら私たちはただ試合う。

紅菜の得意とする速攻の面打ちをしたら、私はそれに対して慣れたように出鼻の小手打ちをする。

もちろん審判なんていないので私か紅菜が參ったと思ったら自主的に負けを認めるようにした。

一剣士として自ら負けを認めるのは恥だと私は思ったのだが、紅菜は「潔さもまた剣士には必要だよ」という謎理論を展開して私を納得させた(正直納得していない)。

もちろん私は自分から負けを認めるようなことはしたくない。というかしないと既に心から決めていた。

だって負けたくなかったから。

子供だと思われるだろうけど彼にだけは絶対に負けたくなかったからだ。

だからそのためにも、彼の負けを納得させるような打突を決めようと私はヒットアンドアウェイを繰り返した。

たしかに紅菜の一撃はとても早く、昔は全く反応なんかできなかった。でも今の私なら...そんな希を抱きながら私は必死にしがみついた。

必死にしがみついて、必死にもがいた。

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